Sheffield Antiques

sheffield's blog
2018/08/14
骨董の愉しみ

骨董品を扱う仕事をしていて、ふと思う事があります。「骨董の愉しみ」とは何なんだろうかと。この問いにはそう簡単には答えが出せません。試験の問題に対する正解のようなものが、ここにはないようなのです。それは「骨董」或いは「骨董品」に対する人々の感じ方や考え方が、多分に主観に基ずくばかりで、客観性に乏しいことによるのかもしれません。いずれにせよ、骨董またはアンティークの品々には、全ての人ではないにせよ少数の者を引き寄せる何かがあるようなのです。

人間はきっと原始の昔から、自分や自分達につながる人々の作り出して来た様々な道具を大切に扱いながら、そしてそれらの道具に対する感謝の念をもって、それらの品々と共に生きて来たのではないでしょうか。そうした道具類の中でも、とりわけ有用で完成度の高いものを、価値ある物と認め、それらの品物に対する特別の感情を抱くようになったのは、とても自然な成行きかもしれません。ただこの推論は、まったく私の想像でしかありませんけれども。

私自身も、真のアンティークとも言える、100年以上の時を生きて来た古い品物に触れるとき、それらに対する何か尊敬の念ともいえる心情を抱いている自分を認めることがあります。人間の記憶の中に、過ぎ去った昔の楽しかった事、苦しかった事が強く刻まれるように、長い時間をいきのびたアンティークの品々の中にも、人は何か言葉では言い表せないものを強く感じ取るのでしょうか。もしかしたらそれは、かってそれらの品々を使っていた人々の生きた時代と、その生の喜怒哀楽を、それらの品物を通して無意識に追想する体験なのかもしれません。

よく分からない部分ばかりですが、骨董の品々に魅惑される心を素直に肯定し、少しずつ買いためたお気に入りの道具に囲まれながら、そして時々にはそれらを使って、楽しい時を過ごすことが出来れば満足でしょうね。

「骨董の愉しみ」のもう一つ。それは、品物を通してタイムマシンに乗ったように、古い時代にタイムトリップできる事でしょう。様々な地域、それぞれの時代の中から生み出された品々には、どうしてもその時代の空気や、特徴的な色合いが織り込まれています。この点に付いては、とても客観的に立証可能です。買い求めた品物の背後にその歴史を感じ取り,その時代を学び、そこから具体的な歴史認識を持つことが出来れば、「骨董の愉しみ」はより一層広がる事でしょう。

どんなきっかけであっても、アンティークの世界に足を踏み入れた人には、その人にしか作れない、奥の深い愉しい世界が待っているのかもしれません。貴方もそんな愉しみをいっとき経験してみませんか。

以上のつぶやきは、とても主観的なつぶやきです。あまり参考になりませんが、貴方はどう思われますか。

100年以上前の古いタイルです。暖炉のまわりを飾っていたのでしょうか。今はこうして額におさまりました。

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